インバウンド観光入門 ~地域の取り組みから学ぶ~

 

日本を救うのは「短期移民」である。

デービッド・アトキンソンは、著書「新・観光立国論」東洋経済新報社2015年でそう語った。短期移民とは一定期間滞在するだけの外国人のこと、すなわち外国人観光客のことである。少子化が経済の足を引っ張る日本において、出生率を急激に上げることは不可能であり、移民政策もこれまでの日本の歴史を遡ると簡単に受け入れられないのが現状である。ならば外国人観光客をたくさん呼んでお金を落としてもらえばいい、といのが著者の意見であり私もこれに共感する。

もちろん、単純に外国人観光客数を増やせば良いという事ではなく、観光を産業として位置づけるのであれば、観光客がお金を落とす機会をもっと用意すること、および観光客数だけに注目するのではなく、お金をたくさん使ってくれる人々をより多く呼び込むことが重要である。

人口の減少によるGDPの減少を補うだけの生産性の向上が見込めればそれも良しだが、2008年をピークにどんどん人口が減少している日本において、もっと即効性の高い取り組みが不可欠である。つまり「観光立国」への道を歩んでいくことに他ならないのである。

日本は観光立国になれる潜在力(気候・自然・文化・食事)のすべてに恵まれている。しかし観光先進国と言われる国々(フランス・スぺイン・アメリカなど)からはまだまだ取り組みが遅れており、その強みが発揮できていない。

先日、私の所属する観光ビジネス研究会の例会において、「インバウンド観光入門」と題し、インバウンド誘致による地域活性化に成功している地域の事例発表や、現状並びに課題の抽出を行った。これからは、「地域の持つ何気ない日常風景と地域住民との血の通った交流」により、日本を、何度も訪れたくなる国にしてリピーターをいかに増やすかが課題であると思う。

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